永住の地を探して

現代日本の生活に嫌気がさした39歳(男)が何も決めずに勢いで日本を飛び出したけど戻ってきたぞ!俺に安息の地はあるのか!?

卵?

22/01/2021

帰国後に最初に感じたのは卵の不味さだった。

空港へ母親が迎えに来てくれ自家用車で地元へ帰る。

※ニュース等で空港から公共交通機関を使って帰ることは出来ませんと言われているが、空港を出た後の管理など出来るわけもなく実際はザルでした。

確かに"空港内"は通路も限定され、抗体検査が終わるまで空港外に出れないのだが、抗体検査で陰性が証明されれば誰でもタクシーで最寄りの駅まで行けちゃうし、空港を出た後歓楽街へ行こうが、自宅で引きこもろうが個人の自由になっています。

空港の出口にタクシーが並んでいるような光景は無いが、迎えのなさそうな人が出てくると、どこからともなくタクシーがやってくる。

ジョージアなんかは入国者は一旦全員ホテルで2週間隔離。これぐらいやってこそ「対策してます」と言えると思うんだが、流石の日本政府は対策してますってニュースで流れれば充分なんですよね。

嗚呼、今年も春節が怖いですね(笑)

 

話がそれた。

 

迎えに来てくれた母親がおにぎりとゆで卵を持参してくれていた。

17時間フライトの機内食は、簡素な紙パックに入ったサンドイッチとマフィンとりんごジュースと水×2回。

ベーグルにハムとチーズとトマトが挟まった小さなサンドイッチ。

行きも同じだったので、特にマイナスな感想は無し、期待もしてないので腹もそんなに減らなかった。

 

助手席に座っておにぎりを食べる、"親の作るおにぎりが最強に美味い説”は大多数の人が知るところ。猛烈に美味かった。

おかずはアルミホイルに包まれたゆで卵、これも定番。

卵料理ではゆで卵と目玉焼きが好きだ。

イタリアで卵が美味すぎて、卵料理=卵かけご飯になっていたので久しぶりの火が通った卵。

おにぎり同様に美味いと思って食べたのだが、猛烈に不味くてビックリした。

今までと同じ卵なのか確認するが、いつも通りスーパーで買った卵。

卵の味よりも、なんかうまく言えない変な味が強い。とても嫌味に満ちていた。

 

帰宅後確認のため、同じ卵を卵かけご飯で食べてみる。

ゆで卵のように強い嫌味は無いものの、俺は卵の美味さを感じられなくなっていた。

イタリアの卵は本当に美味かったんだなぁと実感しつつ、今後の自分の卵ライフについて深く考えさせられた。

卵大好きだからね。

ちなみにイタリアで食べてた卵は味が濃いとか旨味がすごいとか、そういうんじゃなくて、ピュアな感じがしたね。サラッと美味い。

 ピュアなものより過剰な味付けを好む現代日本人には本当に美味いものは理解しづらいと思う。

例えば自分が子供の頃から大好きだった不思議な味の塩"アジシオ"(今は使わないが)と、ヒマラヤの岩塩や赤穂の天塩。食べ比べた時に心の底から岩塩が美味いと言える人がどれだけいるのだろうか?そういう部分の美味い、まずいの感覚が削ぎ落とされてしまっている。

むしろ感覚が化学物質や周りの意見でコーティングされてしまって、素で感じることが出来なくなっていやしないだろうか?

 

以前にも書いた気がするが、"素材の美味さ"についてイタリアで学んだ気がする。

例えばトマト。

素材の味が美味いトマト。つまり美味いトマトとは何なのか?という話だ。

厳選された有機肥料のみで育て、研究や配合を重ねて糖度マックス、形も色も絵に描いたようなトマト。これが日本でいう素材の味が美味いトマト。

素材自体をブーストさせて、能力をカンストさせたようなトマト。

一方ヨーロッパで美味いトマトというと、そこらの空き地で肥料もやらずに日光と雨だけで勝手に育ったトマト(そりゃ日照りが続けば水くらいはあげるだろうが)。

色も真っ赤じゃなかったりまだ青みが残ってたり。

形も全て違う。これが美味いトマト。

素材の味=人間が手を加えてない。これが当たり前の世界だった。

 

素材という言葉の意味は、もとになる材料や原料。

そういう意味ではどちらのトマトも素材の味が美味いって事で間違い無いのだが、トマトの本来の味という視点から見ると、日本のトマトは確実に本来の味から遠ざかっていると思う。

 

それじゃあ、そもそもトマトの素材って何だ?と思ってしまったので蛇足を続ける羽目になるのだが、

そもそも野菜の素材は種。それに土、水、日光、空気が上手いことやってくれるのでトマトが出来る。(表現はこれで合ってるのか?笑)

品種改良出来ました!ウチのトマトの種は大きくなるし甘くなるよ!

品種改良は別に良いんだけど、改良する方向がビジネス思考。

もちろんわかってます。現代社会では金が大事。そりゃビジネス出来るように品種改良するさ。

ただ現代風の品種改良によって野菜の栄養価は低下している事をご存知なのだろうか?

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これは聞いた話なのだが、ピーマンなんで今ではほとんど栄養無いらしいですよ。

これってまじで現代日本っぽくて笑える。上っ面だけで実質が見えてない。

野菜を食べて健康な食生活、とかいうステレオタイプを信じ続ける人々。

コンビニのサラダを買って健康に気をつけていると言い張る人たち。

アホさに笑える。

健康に気をつけているはずなのに、素材の"味”しか気にしていない。野菜に栄養があると思い込んでいる。

トマトは甘いものが良いものだと信じ込んで、そもそもトマトってそこまで甘い野菜じゃ無いんじゃ無い?というところまでは思考は進行しない。

 

ぶっちゃけイタリア行ってなければ素材という事についてここまで深く考えたりしてないのだが、実際行って食べて来てるからリアルなんだよね。

日本ってここまで変なもの食べてるのか?と。

有機農産物JAS規格】(JASの言うオーガニック)

「農業の自然循環機能の維持増進を図るため」

「農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した栽培管理方法を」

そっか、JASのオーガニックって人間はとりあえず後回しらしいね。

そんでJASの認証が取れないと商品にオーガニックって使っちゃダメらしいね。

 

スーパーに売られているオーガニック商品よりも"オーガニック"してる大規模じゃ無い農家って沢山あると思うんだよね。なんせ農家さんは自分で作った野菜食べる事が多いから、自分が食べるものって意識で作ってる人多いはず。

そう言う農家を見つける事が良い食生活の基本になってきそうな気がする。

幸い自分には農家の友達が何人かいるのだが、やはり売り物と自分たちが食べるものは別で作っている人が多い。

 

そんな事を考えているとシードバンクの重要性が超わかる。在来種大事だ。

ここから種について書き始めると、本格的に蛇足になりそうなので割愛しつつ卵の話題に戻る。

 

卵は殻で覆われているので、産み落とされた卵自体に味をつけたり、手を入れることは難しいと思う。

当たり前だが、鶏が食べる餌が卵の味を決めているのだ。

どこの国だって養鶏場では専用の大量の飼料が使われているはずだが、その飼料の質が卵にもろに影響するわけだ。

 

大量生産の養鶏場が質の高い飼料を使っている気はしないですよね。

やはり現代日本の食品は大量生産で、安かろう悪かろうになっていると思う。

みんなも時には美味しい栄養のあるものを食べてください。

 

とりあえず俺は日本で美味しい卵を見つける。このままでは大好きなゆで卵が美味しく食べれない。

 

個人的だが、モノを味わって食べるときに大事なことの1つが"目をつぶって食べる事"

あまりやっている人がいなくて不思議なのだが、何をするにしても同時に2つの事に集中出来ないように人間は作られていると思う。

テレビを見ながらご飯を食べる。これが最悪なんです。

五感の中でも視覚は物凄い処理能力を必要としてて、目を開けてるだけで脳のパワーをすげえ使ってる。

もちろん料理に見た目が大事な事もわかっているので、目で見て楽しみ、口に入れたら少し目をつぶって咀嚼する。これが良い食べ方だと思う。

意識的にやってない人は次の食事で試してみると良い。味も食感もより深く認識できる。やり方も目を瞑るだけなので超簡単。

 

本当はこのまま五感について書きなぐりたいと考えていたのだが、トマトの蛇足で随分長くなってしまったので、五感の話はまたの機会に。