お茶をしばく
26/09/2020
足繁く通っているカフェの、帰り道にあるカフェが気になっていた。
なぜならガラの悪いおじさん達が朝から重大な悪い事会議しているように見えて、勝手にヒリヒリしていたからである。
一度通り過ぎてから折り返して突入。
カプチーノを頼み壁際の椅子に座る。
隠し撮りしてみた。
わかりづらいが、ボスクラスのオーラが出ているのである。
金の指輪もズラリである。
帰宅してミッコとマサさんにガラ悪いカフェの話をすると、あそこはカプチーノよりもティーが旨いし安いと教えてもらった。
午後はミッコの友人とお茶をしにアーラ(Qala)という地区の馴染みのカフェへ。
ここはカプチーノはマズいからねと、前置きされたのでアメリカーノ。
飲み終わる頃に友人が現れてティーを奢ってくれた。
マルタのトラディショナルなお茶。
実を言うと、昨晩、1人の友人に別れを告げ、少し塞ぎ込んでいた。
身体を押し返すほどの強い風が駐車場を吹き抜ける。
ハリケーンが近づいているらしい。
クリアな青空と猛烈な風が、塞ぎ込んだ気分を上昇させた。
夕方になると、今朝行ったローカルがたむろする例のカフェへ。もちろんティーを頼む。
紅茶花伝のミルクティを半分に薄めた感じで、味はケミカル感も無く、とっても素朴。
美味いーっ!とかじゃなくて無く落ち着く感じ。
しかも30セント、50円くらい。
これからこれでしょ。
ちょうど飲み切って、そろそろ行こうかなって時に、
パンキッシュなおば様が、突然現れ、
何故かテーブルに1€を置いてきた。
「You drink.」
マジか。俺はこういう不思議で素敵な出来事がよくある。
知らない街で素敵タイムを引き寄せられる自信がある。
そして、驚いているのはもう一つあって、ティーの存在を知らなかったら1€以下で頼めるものがあるなんて知らなかった(そもそもこの店はメニューが見当たらない)。
午前中ここでカプチーノを飲んだ時から1€を置かれる所まで流れが繋がっているのである。
2杯目のティーを頼んで席に戻ると、1人で飲んでないでこちらへ来なさいと。
聴き馴染みのないマルタ語が耳に楽しい。
とくに会話に入ることは無いが和やかに幸せな時が進む。
帰り道。
サイコーだ。
途中で突然夢の中に入った。
この不思議な感覚は覚えがある。去年のルーマニアに着いた時から続いたアレだ。
上手に説明出来ないが、夢の中で現実が進んでいくような、
肌感覚の次元が変わるような、突然秘密のエリアに入り込めるのである。
もちろん突然の変化に相当ビックリする。
1€くれたおばちゃん、魔女とか精神世界に携わる系譜に位置しているはず。
もちろんミッコもその世界の住人なので、ミッコがティーというキーワードで俺をおばちゃんに結びつけ、おばちゃんが俺を少し変わった世界へ一瞬繋げてくれた、そんな感じ。